生きたがる少し前。



何も知らなかった。


何も知ろうとしなかった。


ただ、アイツはそうゆう奴だと
自己完結させて、
見て見ぬふりをしてた。






「───諦めんなよ」





するっと、意思もなく
溢れ落ちた言葉。






「──俺は……嫌だぜ。
柏木が死ぬなんてのは」




柏木は驚いたように
俺の眼を見つめ返す。






「けど…、もっと嫌なのは
お前が生きたがらないことだ!」





グッと拳に力を入れた。

手のひらに爪が食い込むくらいの力で。




柏木は驚いた表情を
固まらせたままだ。




響いてくれ、そう願った。




「遊ぶ前にお片付けしてんのと一緒だよ
死ぬ準備なんかしたら
お前はなんもできねぇよ!」



ただただ、
"その時"を待つつもりなのか?