はじめちゃんは眼鏡をくいっと掛け直し、コーヒーを啜る。


今にも溢れ出しそうな涙を押し殺し、両手をギュッと握る。



そして……、


「……あ、りが、とう……」


絞り出したその声にはじめちゃんは優しく微笑んだ。