斗真がそれに気付いているのかは知らない。 「何か巡、久しぶりだな」 「……そうかも。3日ぶりくらい?」 「へぇ、何か変なの。元気してた?」 自然と、隣に並び歩き出す。 仕方ない、家の方向が同じなんだから。 「3日だよ? そんな急に変わんないって」 「あー、それもそうか。うん、だよなぁ、」 「変な斗真」 取り繕っても、内心は穏やかじゃない。 心臓がバクバクと音を立て、駆け足で動き出す。 斗真の香水の香りが秘かに鼻を掠め、何だか目頭が熱くなった。