良く知ったプールオムの香りが鼻を掠める。
「……隣良い?」
「……っ、」
……斗真……。
思わぬ人に呆気に取られ固まっていれば、はじめちゃんの視線もゆっくりと上がる。
斗真だとわかった瞬間、鬱陶しそうに眉根を寄せた。
「だめ?」
「……ぁ、い、いいよ」
思わず掠れた声が漏れる。
あたしの返事に斗真は満足そうに頷き、隣に腰掛けた。
「へぇ、巡は英語の勉強?」
久しぶりにこんなに近くに寄った所為で、心臓が慌てたようにバクバクと動き出す。
……斗真の香りだ。
目頭が熱くなって、思わず泣き出しそうになった。

