プールオムの香りが鼻を掠めた。

懐かしい、でも最近も嗅いだ筈のソレに、鼻の奥がツンとするのがわかる。



「……めぐ、」


「は、じめ、ちゃん……?」


後頭部には少し硬い枕。

保健室に居るらしい。


額にかかる髪を払われて、ゆっくりと瞼を開く。



「……とうま、」


酷く顔を顰めた斗真が居た。

てっきり、はじめちゃんだと思ったのに、はじめちゃんが居る形跡は無い。



「痛いとこない?」


……じゃあ、メグって聞こえたのは気の所為じゃなくて、斗真の香りがしたのも勘違い何かじゃなくて……、斗真があたしを抱き上げてここまで運んでくれたのも本当……?