そもそも、あたしは部屋の窓の鍵を閉めたことは、人生で一度も無い。


本当に、たったの一度足りとも無い。


それは、斗真と喧嘩をした後でも言える。


斗真との会話がほとんど無い今でも言える。


未だに未練がましく窓の鍵を開けて、斗真がいつでも遊びに来られるようにしている。


それでも、高校に入ってから斗真はたったの一度足りとも、あたしの部屋に足を踏み入れていない。


そんなあたしを嘲笑うかのように、斗真の部屋の窓はずっと鍵が掛けられ、カーテンもずっと締められたままだ。