いつから、斗真との溝は広がったんだっけ?


目尻を下げて大口を開けて笑う彼の顔があたしに向いて居たのはいつまでだっただろう。


もう思い出すことすら出来ない。



斗真の世界は広がって、あたしの世界はどんどんと狭くなった気がする。


「庄田、」

「ん?」


はじめちゃんの声に俯いていた顔を上げる。

はじめちゃんは真っ直ぐと前を向いている。


「やっぱり俺にはあいつの良さがわからん」


「はじめちゃんがわかっても気持ち悪いよ」


「それもそうか」



はじめちゃんは納得したように頷き、また黙って歩き出した。

細くて華奢なのに、並ぶと思ったよりも高い身長。

斗真と同じくらいあるかもしれない。