雨の繁華街


帰宅時、
何となく帰りづらく意味なく他人が溢れ出し賑やかになってゆく繁華街に立ち寄る。
少しは忘れられるかと思い、人混みに紛れてみるけれど結局は思考は彼女のことばかり。
夜の街、イミテーションの光は輝き華やかさを演出しているけれどその反面俺の気持ちは益々沈下していった。

“別に彼女がどう思うが関係ない”
“好きとか恋だとかそんなものに現を抜かしている場合なんかじゃない”

そう自分に言い聞かせても、やっぱり思い出してしまうのはあの嬉々とした笑顔と羨望と期待に満ちた瞳の彼女。….あの時も訳のわからない情念に突き動かされ彼女の手を掴んだ。今もそれに似通った感情が身体を巡り巡っている。それが何だかわからない。わからないけれど、やっぱり彼女になんて思われるのか、嫌われやしないかどうかなんて変な不安と恐怖が入り交じる。
否そして、その先にある彼女の解答や瞳がどのようなものかが怖いのかもしれない。拒絶や落胆、やはり嫌われたりしたくないみたいだ。自分のことなのに、自分が分からなすぎて溜息ばかりついてしまう。