次の日、俺は練習前に晴樹を呼び出し打ち合わせと言う名の相談を持ちかけていた。
今日はファミレスのバイトだって休み。たまには一日中練習に明け暮れようと画策していたがそれよりも先に、彼女の問題を解決させねばならない。どう打ち明けるかをだ。
昨日は何とか誤魔化せた。けれどもそれは数日も持たないだろう。ライブの日だってもう目前に迫っている。

「ニヤニヤしてんじゃねぇよ、気味悪い。
…だってさー、クラッシックとか聞いてるとか言うんだよ。そんなら絶対引かれる」

「何だよ咲斗。そんなこと気にしてるわけ?
いいじゃんか、お前がフリフリ着て寡黙に弾いてるだけなんだから」