言葉を濁し少し不安になるような言葉も織り交ぜて伝える。まあ実際少なからずそうなんだけれども。
「だから知りたいの。自分が知らない世界に手を伸ばして触れてみたいんだ。
…今のままじゃ何時までも籠の中のカナリアだから」
どきんと心臓に鳴り響き、思わず言葉を無くす。彼女はそう言って今度は瞳を伏せて悲しそうな表情をする。
何故だかわからない。けれどもやはり彼女にそんな表情をさせるのはなんだか忍びない。「籠の中のカナリア」だなんて揶揄するくらい、きっと自分のやりたいことも何も出来なかったんだろう。彼女の過去は今ひとつわからないけれどだからこそ、あの雨の夜に出会ったのかもしれない。


