雨の繁華街


「アヤさん、あの…」

「とりあえず食べようよ。今日は豚肉が安くてねー」

「…うん。なんかアヤさん、主婦みたいな事言うね」


これがアヤさんに対して感じた初めての違和感。
けれどその時俺は自分の気のせいだと、深く考えもしなかったのだ。



「ていうかね、アヤさん。そろそろ教えてくれても良くない?アヤさん、一体どこから来たの?」

鍋から具材を取り出し、小鉢に盛り冷ましながら一口。程よいピリ辛感が口いっぱいに広がりはふはふさせながら次から次へと箸を進める。
やはり暑かろうが寒かろうが鍋の美味しさは何ら変わりはないのだと改めて感じる。