そして青の兎柄の茶碗と小鉢。…こんなメルヘンなの知らねえぞ俺。
「可愛いでしょこれ。新しく駅前に雑貨屋さん出来たみたいで、オープン価格で買えたの!」
いつの間にかパックを外したようで、化粧気のないさっぱりとした笑顔で嬉しそうに語るアヤさんだけど、茶碗はワンセットしかないみたいだ。もう一つは以前から俺が持っていて、最近アヤさんがよく使っている冴えないもの。
「なんでアヤさんのも買わないのさ。好きなの買って使いなよ、そんなオンボロやめてさ」
「うーん。もう一つのは売り切れてたみたい。
いいのいいの、わたしこれフィット感があって好きだから」
にこりと笑って話題に触れるなとばかりに目配せしてご飯を茶碗に盛り出す。これ以上言いたくても切り出せなかった。何だか線引きされているような気がしてならない。


