雨の繁華街


楽譜を広げ楽器を構え、書かれた音符通りにメロディを奏でていく。と言っても俺はベースだけれど。
予め打ち込んであるデモテープも一緒に流す。

「へえー、悪くないね。咲斗にしては珍しいじゃん、アップテンポな曲調。いつもバラードしか持ってこないのに」

「バラードとか聞いてしんみりしたいけどやっぱライブはテンションハイにならなきゃつまらない!
って俺んトコのバイトの女子高生が言ってたから意見を参考にしてみた」

「なんだ、俺はてっきりお姉さまと同棲する有頂天を曲に代弁させたのかと」

今度は晴樹がおちょくるように言葉を被せてくる。嫌な笑みを浮かべて。