雨の繁華街


晴樹はアンプも繋いでいない、ギターをジャカジャカと鳴らしながら珍しく真顔で痛いところを突いてくる。

「同棲じゃねえよ、共同生活。てか大丈夫だから!そんなんじゃねぇし。
第一俺なんか引っかけても何も出てこねえよ、万年金欠貧乏甲斐性無し暮らしなんだし。お前らが一番知ってるだろうが。」

「まあな。けれどもだな…」

「ていうか俺のことはいいから練習しようぜ!久々のライブなんだしさ」

話を無理やり切り上げて俺もケースから楽器を取り出し、チューニングを始める。
…勿論、俺だってそれを過ぎったさ。けれどそんな悪意を持った人間と早々お目にかかるもんじゃないだろうと思うし、そんな悪巧みを考えるような人に見えないんだよな正直。