校舎三階の教室で小春日和の暖かな陽射しを受けながら授業中にうたた寝していた私は、階下のグランドで体育の授業をしている三年生の声に目が覚めた。

『大丈夫?大丈夫?先生!先生!…』

私は何が起きたのかを確認したかった。


誰かが倒れた様子…


確かあのクラスは純子のクラスだなあ……


何か解らないが強烈な胸騒ぎを覚えていた。


階下が気が気ではない私は目を凝らした。


純子だ!……


純子が足をくじいたのか、倒れていた。

上半身は起こしていたから命に別状はないみたいだが………

だが、この強烈な込み上げは何だろう……


休み時間になると、我先に教室を出て保健室に向かった。


ドアを開けると……


『誠、どうしたの?サボりにきたの?』

ニッコリと微笑む彼女が丸い椅子に座り保健の先生に手当を受けていた。


『なーんだ、びっくりしたよ。先輩が倒れたのが上から見えたから、驚いて来たんだよ』

先生の前だから純子とは言えないもどかしさ。


『大丈夫だよ。膝が少し痛くて転んだから…擦り傷だけ』


『そっかぁ、よかった。今日は部活休みだね。早く帰って休みなね』

『うん、そうする』

私は休み時間終了のチャイムに合わせて保健室を出た。


………さっきの強烈な胸騒ぎは何だったんだ?………


少しイラつきながら教室に戻った。