私は上級生や同級生からも妬まれた。


しかし彼女への想いは真剣で、野球を棄てても彼女と一緒にいたいと思っていた。


毎日が薔薇色だった日から少しだけ灰色になりかけた時、彼女は言った。


『誠、気になってるよね?でも野球してる誠をいつもカッコイイなって見てる…だから負けないでね。私は皆にハブにされても誠だけいればいいから……』

純子の気持ちは有り難かったし、心強かった。


『純子、大丈夫だよ、甲子園に連れて行くまで野球はやめないし、純子を守るから』


強い北風に背中を押されながら私は純子の肩に手を回し西日に向かい歩いていた。




学校内で公然となった二人は、冬が去る頃には誰も誹謗しなくなっていた。



春が訪れ、私は二年生に、純子は三年生になった。


更なる厳しい現実をたたき付けられるとは知らずに……。