3月29日・・・春休み
私は都大会で負けた。
だが僅差の負けは純子のお陰だと・・・。
そしてその時にはチームメイトが私の傍で皆泣いてくれた。
『すまない、ごめんな、純子さんに顔向けできない・・・と。』
嬉しかった。自分だけじゃない。野球部の皆が純子や私の事を陰ながら心配してくれていたこと・・・。
気付いてなかったのは自分だけだったこと・・・。
監督が私に
『後藤にマネージャーの腕章を渡して来い』
そう言った。
監督も覚えていてくれていた。
私は試合会場から走って病院へ向かった。
病室に入り、腕章を渡しながら
『純子、負けた、ごめん、』
そう言ったような記憶がある。
純子は抜けた髪の毛を隠す為の帽子を被りながら
『誠、ありがと・・・』
それだけ言って微笑んだ。
もう純子には話す力さえ無かった。
体重も30kgを切り変色した肌はあまりにも痛々しかったが私の初恋の女だ。
どんなに変わり果てようとも純子は純子。
好き過ぎて仕方ないほど好き。
『誠、外を見せて』
頷き、私は純子を車椅子に載せて屋上に行く。
屋上から神田川の岸辺が延々と見えた。
『誠、桜まだ咲いてないね』
『うん、まだだよ、今年は少し遅れているんだね』
純子はニコリと笑いながら頭を私の身体に預ける。
私は純子の重みを感じながら何時間も純子を抱いていた。
『寒い・・・』
純子が起きたように言う。
『戻ろうか・・・』
『私ね、後悔してないんだ・・・誠と会えたこの人生に・・・幸せしか与えられなかったこの人生に・・・。』
純子は震える声で私にそう言った。
『純子、桜が咲いたら千鳥ヶ淵に行こう。』
コクリと純子は頷いた。
『綺麗な桜が誠と見たい・・・』
そう言いながらまた眠りに落ちた・・・。
私は都大会で負けた。
だが僅差の負けは純子のお陰だと・・・。
そしてその時にはチームメイトが私の傍で皆泣いてくれた。
『すまない、ごめんな、純子さんに顔向けできない・・・と。』
嬉しかった。自分だけじゃない。野球部の皆が純子や私の事を陰ながら心配してくれていたこと・・・。
気付いてなかったのは自分だけだったこと・・・。
監督が私に
『後藤にマネージャーの腕章を渡して来い』
そう言った。
監督も覚えていてくれていた。
私は試合会場から走って病院へ向かった。
病室に入り、腕章を渡しながら
『純子、負けた、ごめん、』
そう言ったような記憶がある。
純子は抜けた髪の毛を隠す為の帽子を被りながら
『誠、ありがと・・・』
それだけ言って微笑んだ。
もう純子には話す力さえ無かった。
体重も30kgを切り変色した肌はあまりにも痛々しかったが私の初恋の女だ。
どんなに変わり果てようとも純子は純子。
好き過ぎて仕方ないほど好き。
『誠、外を見せて』
頷き、私は純子を車椅子に載せて屋上に行く。
屋上から神田川の岸辺が延々と見えた。
『誠、桜まだ咲いてないね』
『うん、まだだよ、今年は少し遅れているんだね』
純子はニコリと笑いながら頭を私の身体に預ける。
私は純子の重みを感じながら何時間も純子を抱いていた。
『寒い・・・』
純子が起きたように言う。
『戻ろうか・・・』
『私ね、後悔してないんだ・・・誠と会えたこの人生に・・・幸せしか与えられなかったこの人生に・・・。』
純子は震える声で私にそう言った。
『純子、桜が咲いたら千鳥ヶ淵に行こう。』
コクリと純子は頷いた。
『綺麗な桜が誠と見たい・・・』
そう言いながらまた眠りに落ちた・・・。
