「ちーちゃん、お・は・よ❤」

そう言って、渚が、いつものように、私の頬にキスしてきた。

ドキンッ!!

私は、『昨日の事』を思い出して、ときめいてしまっていた。

渚は、いつもどおり、何も変わらない。

『昨日の事』は、渚にとって、別段、『何でもない事』だったのかな?

私は、何か、胸がモヤモヤしてきた。

何だろう?

この『気持ち』は?

久瀬くんの時は、ドキドキはしたけど、こんな胸のモヤモヤはなかった。

明日も、『久瀬くんとその彼女』に会うことになってるけど、なぜか、もう胸は痛まない。

あんなに好きだった久瀬くんだけど、もしかしたら、『本当に好き』なのではなく、『憧れ』に近い気持ちだったのかもしれない。

そう気づかせてくれたのは、他ならぬ『渚』だった。

もしかしなくても、私、『渚』のこと、気になってるのかな?

今まで、『男の子』として、まったく『見てなかった』のに‥‥‥‥。

急に『意識』し出すと、ドキドキが増すばかり。

外見は『超美少女』のはずの『渚』が、妙に『男らしく』見える。

いつもは渚の前で平気で着替えとかしてたのに、見られてると思うと、恥ずかしくなる。

「渚。あのさ、着替えるから、外で待っててもらえる?」

私がそう言うと、渚は不思議そうな顔をして、

「何で?」

そう聞いてきた。

「‥‥なっ、何でも!!お願いだから‥‥‥‥。」

私がそう言うと、渚は肩をすくめて、

「分かった。」

そう返事をして、私の部屋を出て行った。

「はぁ~。」

私は深いため息をついた。

これから、渚とどうやって付き合っていけばいいんだろう?

私は、悩み始めた。