✳︎女子✳︎「蓮司くんがヒロイン!?だめ、私にはあの美貌に勝てる自信がない!演技なんて意味がないほどに勝負が決まってて…」
✳︎女子B✳︎「えええええ武藤蓮司がヒロイン!?無理無理無理無理!!絶対に私じゃ勝てない!!!」
と、蓮司くん参加の表明が行われてから、かなりの人数が減ってしまっていた。
逆に言えば、残ったヒロイン希望の人たちは相当な演技派な人たちだ。
案の定、誰が選ばれてもおかしくない素晴らしい演技。
言葉遣い、所作、みんな何もかも完璧だ。
最後は蓮司くん、大丈夫かな…。
しかし…
✳︎女子&男子✳︎「……………」
圧倒的超絶美少年さと、負けず劣らずの演技に、私を含め全員が息を呑んだ。
いや正確には、鼻血が溢れてみんな息ができなかった。
それはもう、芸術とドラマの融合。新しい何かを見せられた。言葉に表し用のない、肉体と演技の美。
誰が文句を言えよう、誰が反対しよう?
それまでに演じたヒロイン志望の役者たちも、自分が演じたことなど忘れ、蓮司くんを推した。
投票結果は、堂々の全票。ヒロイン役で堂々の全票は、部が始まって以来のことだった。
(そして、部室が鼻血で血塗れになるのも、おそらく創立以来初のことだろう…)
私は蓮司くんへ与えられた圧倒的な神の贈り物に感激し、演劇部への熱い情熱を注ぐことを余儀なくされた。
これを台無しにしてはいけない、いやその前にこれ…本番、死人でないかな…。
そんな不安をよそに、私達は全員保健室へと搬入された。
…まあ、保健委員の蓮司くんと斑鳩先生が手当をして新たな被害が多数出たのは言うまでもないだろう。
演劇部は特例で保健室で解散となった。



