✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎
✳︎山口先輩✳︎「ちょっとみんな、聞いてくれ!
ゴールデンウィーク2日目と言う中、よくぞ全員集まってくれた!!」
学校についた際、蓮司くんファンと、実家帰省を知らない聖司くんファンと、ルミちゃんのおこぼれを狙う私への謎の集団が押し寄せてきたことは言うまでもないだろう。
私達が基礎練習を終えたあと、それぞれが台本や機材の確認などをしているとき、山口先輩が大きな声でみんなを呼び止めた。
先程3年の先輩たちが集まって話し合っていたので、部員は何かがあるのだろうと察した。
✳︎山口先輩✳︎「そこでだ!本来ならオーディションと他の役職決めはゴールデンウィーク明けに行う予定だったが、急遽!今日行うことにした!
とくに!役者は何事にも臨機応変が必要!セリフを覚えられてないものも、アドリブでぜひこなしてくれ!」
山口先輩の言葉とともに、全員が沸き立った。
どうやら皆、特に役者側はとうの昔に全力を出す準備はできているようで、役職希望の紙を受け取ったと、隣で蓮司くんも緊張しながら頬を緩ませていた。
私は何をしようかな。
一年生にとっては初めての公演ということで、脚本・舞台監督はすでに決まっているらしく、今日決める役職は、役者、照明、音響、小道具、衣装、美術、広報…。
しかし、役職と言っても、部員数の問題なのか、元々そういうものなのかはよくわからないけど、うちの部活では兼任することが多いらしい。
もちろん蓮司くんも、姫役志望と同時にメイクを担当したいと言っていた。
メイクは必然的に衣装と同じくくりになるし、衣装担当になれば蓮司くんと相談しやすいだろうな。
私は役職希望の紙にある「衣装」を丸付けした。
✳︎みちか✳︎「ええ!?月影あんた本当に姫役やんないの?私てっきり、武藤か月影で熾烈なオーディション争いすると思ってたのに…。それなら武藤圧勝じゃん?」
✳︎山口先輩✳︎「みちかぁ、お前もやっぱりもったいないと思うよなあ?かわいい歌凛ちゃんがやってくれれば観客もたくさん…」
✳︎みちか✳︎「調子乗って手出そうとしてんじゃないわよ」
山口先輩がそう言って私に抱きつこうとしたところを、みちか先輩が殴って止めた。
なんというかこの人は、エチュードでは塩らしい役ばかりなのに、本当に王子様気質だ。
✳︎みちか✳︎「まあけど、武藤が王子役かと思ってたから、私、本気で心配してたのに。杞憂だったわ」
みちか先輩は少し長い髪を後ろへかきあげながらそういった。
普段の蓮司くんを見ている私からすれば、どうやったって蓮司くんは姫だろうな、と思うし、みちか先輩の圧勝としか思えないが…
演技スイッチ入ってる蓮司くんはすごいからな。
私はそう思い、蓮司くんの方へ目をやった。
どうやら私達の話は一切耳に入っていないようで、台本を読みこんでいる。
その姿は王子の登場を待ちわびる、息を呑むような美しい姫そのものだ…。
✳︎歌凛✳︎「ふふ、仮に私が姫役を志望したとしても、蓮司くんには叶いませんよ」
私がそう言うと、二人とも納得したように蓮司くんを見て微笑んだ。
✳︎山口先輩✳︎「ちょっとみんな、聞いてくれ!
ゴールデンウィーク2日目と言う中、よくぞ全員集まってくれた!!」
学校についた際、蓮司くんファンと、実家帰省を知らない聖司くんファンと、ルミちゃんのおこぼれを狙う私への謎の集団が押し寄せてきたことは言うまでもないだろう。
私達が基礎練習を終えたあと、それぞれが台本や機材の確認などをしているとき、山口先輩が大きな声でみんなを呼び止めた。
先程3年の先輩たちが集まって話し合っていたので、部員は何かがあるのだろうと察した。
✳︎山口先輩✳︎「そこでだ!本来ならオーディションと他の役職決めはゴールデンウィーク明けに行う予定だったが、急遽!今日行うことにした!
とくに!役者は何事にも臨機応変が必要!セリフを覚えられてないものも、アドリブでぜひこなしてくれ!」
山口先輩の言葉とともに、全員が沸き立った。
どうやら皆、特に役者側はとうの昔に全力を出す準備はできているようで、役職希望の紙を受け取ったと、隣で蓮司くんも緊張しながら頬を緩ませていた。
私は何をしようかな。
一年生にとっては初めての公演ということで、脚本・舞台監督はすでに決まっているらしく、今日決める役職は、役者、照明、音響、小道具、衣装、美術、広報…。
しかし、役職と言っても、部員数の問題なのか、元々そういうものなのかはよくわからないけど、うちの部活では兼任することが多いらしい。
もちろん蓮司くんも、姫役志望と同時にメイクを担当したいと言っていた。
メイクは必然的に衣装と同じくくりになるし、衣装担当になれば蓮司くんと相談しやすいだろうな。
私は役職希望の紙にある「衣装」を丸付けした。
✳︎みちか✳︎「ええ!?月影あんた本当に姫役やんないの?私てっきり、武藤か月影で熾烈なオーディション争いすると思ってたのに…。それなら武藤圧勝じゃん?」
✳︎山口先輩✳︎「みちかぁ、お前もやっぱりもったいないと思うよなあ?かわいい歌凛ちゃんがやってくれれば観客もたくさん…」
✳︎みちか✳︎「調子乗って手出そうとしてんじゃないわよ」
山口先輩がそう言って私に抱きつこうとしたところを、みちか先輩が殴って止めた。
なんというかこの人は、エチュードでは塩らしい役ばかりなのに、本当に王子様気質だ。
✳︎みちか✳︎「まあけど、武藤が王子役かと思ってたから、私、本気で心配してたのに。杞憂だったわ」
みちか先輩は少し長い髪を後ろへかきあげながらそういった。
普段の蓮司くんを見ている私からすれば、どうやったって蓮司くんは姫だろうな、と思うし、みちか先輩の圧勝としか思えないが…
演技スイッチ入ってる蓮司くんはすごいからな。
私はそう思い、蓮司くんの方へ目をやった。
どうやら私達の話は一切耳に入っていないようで、台本を読みこんでいる。
その姿は王子の登場を待ちわびる、息を呑むような美しい姫そのものだ…。
✳︎歌凛✳︎「ふふ、仮に私が姫役を志望したとしても、蓮司くんには叶いませんよ」
私がそう言うと、二人とも納得したように蓮司くんを見て微笑んだ。



