聖司くんのしようとすることと、体が微妙にあっていないからだ。
お箸をもっても上手く料理をとれないし、眼鏡を直すときも上手く直せていない。
注意して見れば、おかしなことだらけだった。
*蓮司*「大丈夫?今日行ける?」
心配そうに蓮司くんが聖司くんの顔を除き混む。
*聖司*「ええ、心配要りませんよ」
そう、やや隈のある目をこちらに向けるが、心配の要らない状況ではない。
*歌凛*「昨日しっかり寝ました?」
*聖司*「少し考え込んでいたら、眠るのが遅れてしまいまして……」
全く。全然大丈夫じゃないじゃない。と心の底から思った。
とりあえず温かい飲み物をと緑茶をいれ、聖司くんに半ば無理矢理飲ませた。
私も蓮司くんも不安でしかなかったが、本人が行くことを決心したのなら止められない。
朝食を食べ終わった後、聖司くんを送った。
*蓮司*「歌凛がお弁当作ってくれたけど、いる?」
*聖司*「有り難くちょうだいします。
歌凛さん、ありがとうございます」
やけに丁寧に受け答えする。私達二人はかなり心配だった。
*蓮司*「なんかあったらすぐ連絡しなよ?」
*歌凛*「万が一のことがあれば私達迎えに行きますし」
*聖司*「ええ、わかりました。大丈夫です。…行ってきます」
聖司くんはそう言って、すぐにドアを開けた。



