*歌凛*「もしもし?」
*母*「歌凛?ごめんごめん、なんかスミレがお話したいっていうからね。
今代わるわ」
*歌凛*「ええ」
私は声にこそ出さないものの、久しぶりにお母さんの声が聞こえたのと、スミレと話せるのとでテンションが上がっていた。
こっちに来るという話もメールで話していたために、事実上約1ヶ月ぶりに声を聞いた。
それなのに、お母さんはそう言うとすぐスミレに代わった。
元気だったか、などといった内容を一切口にしない所や、要件だけ伝えるところがとてもお母さんらしい。
*スミレ*「もしもし…?」
*歌凛*「もしもしスミレ?」
あぁ、スミレだ。まだ離れてそんなにたってないのに、ものすごく懐かしく感じる。
*スミレ*「お姉ちゃん!
あのね、スミレさっきお姉ちゃんのシェアハウスいく準備してたの。
見せたい服や物がたくさんあるから迷っちゃってて。
お姉ちゃんは元気?」
*歌凛*「元気だよ。スミレの声聞けてもっと元気になっちゃった」
*スミレ*「早く会いたいな~。
早く明日にならないかな」
*歌凛*「そうだね。お姉ちゃんも早く会いたい。明日の4時には着くのよね?」
*スミレ*「うん。
明日の夕方について、同居人さんにご挨拶して、それから3泊4日してくの!」
4日間か…。私はもう少しいてほしかった。
でも、逆に4日間もいてくれることも嬉しかった。
*歌凛*「楽しみね~!
じゃあ、明日の夕飯はスミレの好きなオムライスにしようかな」
*スミレ*「本当?」
お母さんとスミレがいるときは、実家帰省する聖司君を抜いて4人分の食事を作ることになる。
まあ、一人分増えるだけだから大丈夫だろう。
ベッドはまだまだ余っているし、
最悪ソファーもあるから私がそこで寝れば問題ない。
あぁ、なんだかとてもドキドキしてきた。



