失礼なのは承知だけど、構って貰いたくて周りをうろつく犬に見えてくる。
*聖司*「そうですね。とは確かに言いました」
ここで、それみたことかと得意気な顔をする蓮司くんだったが、聖司くんが
「ですが、やるとは言っていません」
と付け加えた途端、蓮司くんは顎をはずす勢いで項垂れた。
聖司くんが落ち込む蓮司くんを無視するので、余計によどんだ空気がたちこめる。
なんとかせねば!この空気!
*歌凛*「あっ、だったら今度の連休、
部活のない日にやりましょうよ!
バーベキュー!
二階堂さんに許可とって、庭でやればいいんじゃないですか?」
*蓮司*「確かに!!
別にGWじゃなくてもいいよね!
聖司はどう思う?」
蓮司くんは早々に話に乗ってくれた。
正直、バーベキューが本当に出来るかどうかはわからないけど、私もしてみたい。
*聖司*「では、一応参加と言うことにしておきます」
*蓮司*「イェーーイ!じゃあルミと斑鳩先生達も呼んじゃおうかな…?」
*歌凛*「斑鳩先生がお触りをしないのであれば賛成です」
まあ、言ってもどうせ斑鳩先生は何かしてくるし、無駄だろうけど…
それでも言うのと言わないのとでは大違いだ。心境的にも。
*蓮司*「一応伝えておくね、まあ無理だろうけど」
*歌凛*「お願いします。まあ無理でしょうけど」
*聖司*「言うだけ損はしないでしょう。まあ無理でしょうが」
無理…うん、無理だろうなぁ。
私は諦めた。
と、その時、携帯が鳴った。
*歌凛*「あ、ちょっと失礼します」
リビングの端の方に移動し、私は携帯を見た。お母さんからだ。



