*歌凛&蓮司*「なんかすごくわかります」
みちか先輩は演技しているときはともかく、普通の時はサバサバしててかっこいい。
王子役って物凄く似合うと思う。
*みちか先輩*「と、言うことで、ヒロインは私じゃないと思うわよ。オーディションが落ちなければ」
絶対に落ちないだろう。王子をやりたい他の部員には申し訳ないけど、私はそう確信した。
しばらくしてから基礎連が始まった。
滑舌練習や発生練習……今回はあまりハードな運動はしなかったので、全部参加した。
先輩も同級生もいい人ばかりなので、迷惑になってないか毎回心配してしまう。
口には出さなくても、やっぱり私が度々見学しているのは不服なんじゃないだろうか。と。
ゴールデンウィーク中の演劇部は部活がないらしく、体力作りをしっかりしておけと言われたときも、先輩は私を見て
「歌凛ちゃんは体調壊さない程度にね」
なんて言われるし、余計に不安だ。
帰り際、ルミちゃん、蓮司くん、聖司くん、私の四人で帰ったときに、気も引けたけど相談してみた。
*蓮司*「ないない、絶対ない」
*瑠美*「てかそんなこと言うやつ先輩であろうと許さないわ」
*聖司*「気にしすぎですよ。
そう言うことに関して理解のある生徒ばかりですし」
と、みんながみんな励ましてくれた。
けど、この三人もいい人たちなのを知っているせいで、一見納得したようなそぶりをしたが、実際はあんまり解決しなかった。



