*山口先輩*「でもやってみたくない?」
*歌凛*「蓮司君の方がやりたいみたいです」
*山口先輩*「え、そうなの武藤?」
*蓮司*「そりゃ大役なんだからやりたいですよ!」
事実、次行う公演でのヒロインの台本を蓮司くんはよく握りしめている。
*山口先輩*「まあ、武藤なら似合うとは思うがな……」
ええ、今すぐあの熱演を先輩に聞かせてあげたい。
*みちか先輩*「失礼しまーす」
*山口先輩*「しかし!おそらくヒロインはみちかだ」
山口先輩はみちか先輩を横目で見た。
みちか先輩は確かに、練習で小劇をやるときがあるがそれがものすごくうまい。
*みちか先輩*「え、なになに?」
*山口先輩*「ヒロインの話。
歌凛ちゃんと武藤がやりたいって」
*歌凛*「私は言ってません」
*みちか先輩*「へーいんじゃない?
どっちも美形だしエチュードいい感じだし」
エチュードとは、さっき言った小劇みたいなものだ。
私も一応やらされているけど、素人過ぎてできてるかどうかすらわからない。
*山口先輩*「え、みちかやんねーの?」
*みちか先輩*「あたし次、王子役やろうと思ってるのよ」



