私はすかさずそれに反応したが、聖司くんはどうでもよかったのか、何が何に似ているのか答えなかった。




私もそこまでして聞きたい事でもなかったし、聞かないでおこう。




*聖司*「いえ、なんでもありません。

おや、話している間にかなり時間がかかってしまいましたね。」




え!?私は自分の後ろの壁にかかっている時計を見た。あれから一時間くらいたっている。




*歌凛*「あ、ごめんなさい。こんなに長居するつもりはなかったんですけど。

そろそろ、私は部屋に戻りますね」




*聖司*「ええ」




いけない!服の準備なにもしてなかった!




服をゴールデンウィーク明けまでに作らなきゃいけないなら、なるべく早く取りかかった方がいい。




私は少し慌てながらしびれた足で立って、ドアを開けた。聖司くんの部屋を出て、廊下に出る。




と、すぐ近くに、蓮司くんが壁へもたれ掛かっていた。





もしかして、聖司くんに用があったのに、私が邪魔しちゃっていたのかも。




*蓮司*「歌凛は…歌凛はすごいね。
優しくて、人の心をすぐ開く」




*歌凛*「れ__」




蓮司くんは、私が話しかける前に早足で自分の部屋へ戻っていった。




聖司くんの部屋へ行くつもりじゃなかったのだろうか。




じゃあ、私の考えが外れたのだとしたら、何をしに来たのだろう。




私は少し疑問を感じながら、蓮司くんと同じように自分の部屋へ向かっていった。