*歌凛*「お二人とも背が高いですものね。
かっこいい服をめざして頑張ります。」
それに、大きい服って作りやすいから助かる。
生地もたくさんあった気がするし、きっといいものができるだろう。
今の季節だと長袖か、それともこれから来る夏に向けて半袖か、結構迷うなぁ。
*聖司*「ええ、楽しみにしておきます。」
友達にプレゼントとかしたことないし、「楽しみ」何て言われたのは家族以来だ。
蓮司くんと聖司くんのために、今回はちょっと凝って作っちゃおうかな。
*歌凛*「フフ、ありがとうございます。
GWが開けた頃には出来上がっていると思いますよ。」
*聖司*「では、何がなんでも実家から帰らないと行けませんね。」
聖司くんは笑いながらそういったけど、私としては、いうほど笑えなかった。
帰るのが難しそうにいっていたし、さっきリビングで話してた内容を思い出したからだ。
「聖司くんの家はお堅い家柄」「お兄さんは拘束される」とか、色々……。
それに、入居した最初の方、「一度聖司くんの親が迎えに来たことがあってなんとか追い返した」と蓮司くんがいっていた。
ちょっとどころか物凄く心配だ。
いうまでもなく余計なお世話だろうけど。
聖司くんは眼鏡のおいてあった棚を見ていた。
なんだろう。私は聖司くんの視線をおってみた。



