そう思うと悪寒が走る…。
蓮司くん本人が撮られることに関しちゃ全然平気でむしろ嬉しくなってしまう人だからたちが悪い。
それが女装姿だったとしても、蓮司くんの事を知ってる人に見せるのなら自信満々でいるはずだ。
私にはそんな事できないから、ある意味尊敬するけど、実践しようとは思わない。
聖司くんの部屋に向かいながら、「はぁ」と私はため息を吐いた。
ただ座ってメイクされていただけなのに、物凄く疲れた。
二人のサイズを聞いたらすぐに取りかかろうと思っていたけど、脱力した今の私にそんな集中力は皆無だ。
お菓子かなんか食べたあとに作ろう。
そう思い、私は聖司くんの部屋の前で止まり、ドアをノックした。
*聖司*「なんですか蓮司、今日もまたつまらない用事で私を…
おや、歌凛さん?」
*歌凛*「あ、あはは、すみません、服のサイズを教えてもらおうと思って…」
なんか、怒ってる…?
*聖司*「すみません、蓮司と勘違いしていました。
そういえば、珍しいですね、歌凛さんがメイクをされているのは。」
気付くの早いな。
て言うか私が普段しなさすぎなのかな。
*歌凛*「先程、蓮司くんに服のサイズを聞きに行ったら知らないうちにメイクされてまして。
蓮司くんのメイクは上手くても、変ですよね、私がメイクしてるの。」
私がそういうと、聖司くんは「またか。」といった顔つきでため息をついた。
*聖司*「まさか歌凛さんにまで手を出すとは…。その場合、はっきり断っていいですよ。」
*歌凛*「私にまでってことは、他にも被害者が?」
思い当たるどころか共犯者らしき人たちしか思い浮かばない。
(斑鳩先生とかルミちゃんとか…)



