*歌凛*「す、すごい…」
前よりも蓮司くんの腕前が上がっている気がする。
私らしさは一寸も消えていないのに、斑鳩先生のような艶っぽい女性に見えた。
マスカラは黒を本の少しだけ塗ってあるだけで殆どベージュだし、眉毛も塗っているかどうか微妙なレベルで、メイクらしいメイクをされているのは一部だけだった。
目尻と唇。特に唇は目立つ赤だ。
*蓮司*「ちょっと大人っぽくしてみましたー!sexy?」
*歌凛*「yes sexy!!」
*歌凛&蓮司*「・・・」
大きな声でなに言っているんでしょう私…
気でも狂ったのか知らないけど、ノリで言ってしまった。
少なくともさっきなんかより全っ然顔真っ赤なのは確かだ。
*蓮司*「まさか歌凛が乗ってくれるとは!
ルミにはーなそーっと。sexy? yes sexy!!」
*歌凛*「絶対やめてください!
からかわれるのが終いです!」
ルミちゃんに知られたら「sexy?」を確実に連呼される。
いや、もう蓮司くんに聞かれた時点で結果は同じか…?
*歌凛*「死んでも、死んでも言わないでください。」
私は目を鋭くして蓮司くんを睨みながら肩を力一杯掴んだ。
爪を食い込ませるように思いっきり。



