☆★☆★4年前☆★☆★




小学六年生の時、私は周りから賞賛されていた。




*先生*「月影歌凛さん。空手の大会で優勝したと言うことで、賞が届いています。」




*歌凛*「はい。」




空手の大会で優勝したのだ。




柔道は二位だったけど、空手だけは一番強かった。




普段から人と話すことが苦手だった私も、
「すごいね」「歌凛ちゃんってそんなに強かったんだ!」と注目を浴びた。




そこからだ。友達……いや、”知り合い”ができたのは。




友達も、親友も私にはいなかった。




唯一いたあの人も……友だちではない。親友でも、“知り合い”でも。




*女子1*「かっりー、今日帰らない?」




*歌凛*「うん。」




*女子2*「ええー、あたしと帰ろーよ!」




長いものに巻かれろ、とよく言うけど、私はその長いもののようだった。




悪い気はしなかった。
寧ろ、これが当たり前になっていた。




*女子1*「かっりーって好きな人いるの?」




*歌凛*「好きな人?
い、いないことはないけど……」




*女子2*「えー誰々?」



*歌凛*「そんなの秘密だよ。
二人にいってもわかんないだろうし。」




私の好きな人は…………まだ言えない。




今でも大好きな、遠くへいってしまったあの人。



あ、思い出しただけで、哀しくなってきちゃった。




ルミちゃんがこの事を知ったら、引かれるかな。




でも、一生言うつもりはないから、大丈夫なはず。



私は格闘を、特に空手を必死にやりこんだ。