*歌凛*「流石に、もう少し人を疑った方がいいと思いますが。
そんな少し話しただけで親友扱いは危ないですよ。」
私が言うのも難だけど……
*蓮司*「そういうもん?
ま、でも、もちろん最初に友達にするかしないか人相とかを確認するわよ?」
そんなのもちろん前提で話してます!
蓮司くんはモテやすいんだから、みんな
そこそこ自分を偽って近づくはずだ。
*聖司*「蓮司、あんまり話すと歌凛さんに引かれますよ?」
もう殆ど引いてます。
*蓮司*「はぁ~い。
でもまあ、私たちは友達だよ。歌凛の友達。
ていうか、友達になれるって思ったから私のこと話したって言うのもあるし。
ね?聖司」
*聖司*「ええ、友達です。
離れていても、困っていても、何があっても助け合えると歌凛さんなら思えますから。
もちろん、蓮司もルミも。」
なぜか、そう言われて私は酷く安心した。
友達の定義なんて、いつ崩れるか分からない。
いつ、誰が離れていくかも。
だけど、“なぜ友達になったのか”よりも
“友達だから”といわれた方が嬉しい。
この二人なら、本当の友達になれるかもしれない。
(ルミちゃんももちろんだけど。)
*歌凛*「あ……ありがとう、ございます。」
*蓮司*「え、なにが?」
*歌凛*「い、いえ、なんでもありません。」
この人たちなら信用できると、私は生まれてはじめて、そう思った。