*歌凛*「ええ。見ていてわかります。
私も……昔はそうでしたから。」
何か好きなことを真剣にしているときが、
一番幸せだった。
蓮司くんがそのタイプかどうかは
分からないけど、でもきっと、蓮司くんも部活が楽しいんだと思う。
*聖司*「でしたら、お願いがあります。
現在のあなたは、演劇部というものを本気で取り組む気はあまりないでしょう。
当然です。
やりたいものがあるのに、できないのですから。そこを責める気はありません。
しかし…」
聖司くんと私は蓮司くんの部屋に入った。
荷物をおいている間、聖司くんは間を開ける。
*聖司*「蓮司の前では、不本意だと悟られないようにしてください。
本人は、歌凛さんが真剣に部活動を取り組んでくださると思い込んでいるでしょうから。」
*歌凛*「……不本意、とは?」
*聖司*「先程から見ている限り、演劇部にはさほど興味がないと見えました。
恐らく、いずれは歌凛さんも演劇部を真剣に取り組むでしょうが、今は違います。」
また、見透かされてる。
時間がたてば、私は演劇部を本気で取り組むけど、聖司くんの言う通り、
今は違うのだ。
取り組みたくても、今までやってきたクラブ事が、どうしても頭にちらつく。
*聖司*「ですので少なくとも、蓮司の前では部活を本気でやってください。」
*歌凛*「わかりました。
…本当は、私も本気でやりたいんですけどね。」



