「お嬢ちゃん、荷物はこれだけかーい?」
小さな船を運転してくれたおじさんが私にそう尋ねる。
「はい。ありがとうございます。」
「にしても驚きだな~、初さんと元治さんにこんな美人なお孫さんがいたとは。」
優しい笑顔を向けてそう言うおじさん。
私、新本彩永。
彩るに永遠の永でさえっていうの。
東京からわけあってこの小さな島におばあちゃんとおじいちゃんと一緒に住みにやってきた。
「初さんと元治さんの家はこの道をずっと行けば見えてくるけど、案内しなくて大丈夫かい?」
「はい、大丈夫です。本当にありがとうございました。」
小さくお辞儀をしておじさんを後にする。
親切な人だったな~。
そんなことを考えてスーツケースを転がしながら歩いていると、つくづく東京とはかけ離れてると実感する。
こんな田んぼにまみれた場所始めた来た。

