少女が目を細めた。
「あれを上げている人も私と一緒なんだわ」
「それは一体どうして?」
「届かないと知っていて、それでもなお、そうせずにはいられないのよ」
そう言うと、少女は小さく息を吸って、また歌い出した。
小さなロケットの模造品がまた、宇宙を目指して飛ぶ。
この世界の端々には諦めが蔓延していた。
もう、誰も地球を救ってはくれないのだという。
それらを打ち消すように少女の歌声が響いていた。
強く、はかなく。
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