ふと、誰かの歌声が耳を掠めた。 誘われるようにその歌声へ近づくと、壊れて積み重なったコンクリートと上で少女が歌っている。 甘く、柔らかく、心地良いしらべ。 そっと耳を澄まして聞いていると、こちらに気付いたのか少女は歌を止めた。