1人部屋で孤独と戦う日々
カミソリの刃だけが鋭く光るのを見つめていた

〜美香〜

高校1年の夏休み
’自傷行為’に目覚めていた。
こんなこと自分がするとは思ってもなかった。

ーー虐めーー

いじめられていて困ってると友達から相談を受け、相手に話を聞いてあげることにした私。もちろん勇気など無かった。正義感があった訳でも無かった。ただ単に友達が辛そうで見ていられなかった。いつからか噂が広まり、私は皆の標的に回された。

「あいつが乗り込んでくるってよ!」
「正義の味方のつもりかよ(笑)」

聞いてられなかった。乗り込むとも言っていないのにあっという間に広がった噂は、静まることが無かった。それどころか、

・お前何がしたいの?死ねよ・
・顔もブスだけど性格もブスだな・

そんなlineの嵐が続くようになった。
周りに見方など存在しなかった。

泣きながら1握りの友達へ電話したが繋がらない。もう絶望感でいっぱいだった。
小さい頃から父子家庭で育ち、祖父母に相談するどころか、父にすら相談出来なかった。

ーもう無理だ、耐えられないー
何処からともなく取り出したカミソリで毎日の様に傷を残した。痛さなんか感じなかった。
孤独と絶望、苦しみと悲しみ。それだけがカミソリを走らせる理由だった。

何日か経ち、
学校には行くふりをしてどこかで時間を潰してはサボるようになった。それがバレるのも時間の問題だった。

夏休みに入ると、辛さから外見も内面もグレ始めた。顔にピアスを開ければストレスを発散し、髪を染め、夜遊びをした。得られた物など何も無かった。

そんな時、最近Twitterで仲良くしてくれていたた稚弥に遊びに誘われた。
自分なんてどうでもよかった私は暗い中近くのゲーセンまで行くことにした。

この時、運命が変わる事なんて知りもしなかった。


続く