〜翔音





冷たい視線が突き刺さる
まだ両目で世界を観れた頃…






鋭利な刃物が先についた薙刀を持つ同じ顔の少女
返り血を浴びたその子は寂しそうに涙を流した
母もう息をしていなかった…
母からその刃物を抜き取り視線を僕に向けた






え…






すごいスピードだった
すごい、力だった
逃げることはできなかった





胸からみぞおちあたりまで走った赤い線
右目に小さな赤い手が近づいてくる
その瞬間その目は光を失った





目が落ちている




もう無理…
残った目を閉じた
声が聞こえた…







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