〔B L〕朽ちた無花果


そんな顔を、してたなんて。
患者さんの前で、自分が患者面してどうするんだ。

たか君の言うとおり、こんなんじゃ誰も助けられない。

…僕は、誰かを助けたくてこの職に就いたのに。

「…そんなことありませんよ!
さて、今日は升也さんとどんなおしゃべりができるか、楽しみですね!」

僕が不安になってどうする。
患者さんまで不安になってしまうだけだ。

「俺は晴のいろんな顔が見たい。
そうやって笑った顔もいいけど、俺は…」

升也さんがいきなり椅子から立ち上がり、僕の目の前へ移動した。

そして、僕のほぼ真上から升也さんの整った顔が近付いてくる。

圧倒されてイナバウアのようにのけぞってみたけど、デスクで行き止まり。

升也さんは、デスクに追いやられた僕を見下ろしながら、バンッ、と音を立ててデスクに手を置いた。

これっていわゆる…何ドン?

机…ドン?

ド○ちゃん:《もう一回遊べるドン!!》

「…フッ、なに?
俺の顔に、なんかついてんの?

そんなにじーっと見つめちゃってさ。」

「っあ、いや…」

ドキドキする。
思考回路が変なところにぶっ飛ぶくらい、心臓が激しく脈打っている。