「俺が本音で話して喜ぶのは貴方と週刊誌ぐらいですよ。」
「僕が録音して週刊誌に売ると?」
「金になるでしょう?」
金、か。
コイツに取り憑かれると、大変なことになる。
僕も昔、取り憑かれたことがあるからわかるんだ。
でも、今は。
今は、違う。
「…世の中には、お金が好きな人もいます。
でも僕は違う。
僕はこの仕事に誇りを持っています。
誰かを助けて、『ありがとう』って言われれば、いくらお金を貰うよりも嬉しい。
お金は最低限の生活ができれば必要ありません。」
「そんな人間、この世にいませんよ。
人間は貪欲で、浅ましい生き物だ。」
「だったら僕が証明します!
だから…お願いです。
まずは本音で、話してみませんか?」
「確証が欲しいですね。
うーん…そう、晴さんの秘密を教えてくれたら話しても良いですよ。
俺が重大な秘密だと感じるような、貴方の大きな闇をね。」
僕の大きな闇。
重大な、秘密…
…だめだ、言えない。