『ゆる彼』とワケあり結婚、始まりました。

「お姉さん…?」


ほっとしたような顔を見せ、肩の力を抜く。
数える程しか会ったことのない俺に、彼女はいろいろと聞きにくいことがあるらしい。


「…お姉さん、オムライスがお好きですか?昨日のお昼、作ってくれたんですよ。おばあちゃん…」


少し嬉しそうな顔を見せ、彼女は目線を祖母に向けた。

イライラしてた姉と違い、何処かどっしりと構えている。
余裕みたいなものを感じさせながら、彼女は更に話を続けた。


「いろいろと出来ないことが多くて困ってるみたいでしたけど…病院には行かれてますか?」

「… 病院⁉︎ どうして?」


どこも悪くなさそうなのに、何故病院へ行くのだろう…と思った。

逆に彼女は、「えっ⁉︎ 行ってないんですか⁉︎ 」と驚いた。


「おばあちゃん……どう見ても認知症だと思うんですが、何も検査されてないってことですか⁉︎ 」


箸を取ろうとした手が止まった。
俺のことを見つめる彼女の目に、信じられない…といった色が浮かんでいた……。