「剛さん…」


囁かれた声を聞いて、やはり彼女しかいない…と実感した。


自分を信じ、愛して欲しいのはこの人だけだ。


朗らかで正直なその性格を、真っ直ぐ自分に向けてくる。


言いにくい事もズバズバ言って、それ程までに自分たち家族のことを気にする。


あの医師とはただの同僚なんかではないんだ…と気がついた。
何らかの言えない関係があって、今も彼女はそれに怯えている。


でも、例え、それが何であってもーーー




「愛理さんが好きだ…」


想いの丈を口にして、改めてそうだと確信した。


見合いの日に感じた直感は、間違いなどではないと思った。




ーー今度こそ決して手離さない。



どんなことがあっても、



やっぱりこの人と一緒になるーーー。