「まじかよ…」

「どうしたー?まこっちゃん!」

俺のつぶやきに反応したこの人は
司書の山本さん。

あ、先に言っとくけど、俺の名前は真。

大学に通いながら市営の図書館でアルバイトをしている。

そして上司の山本さん。てなわけ。

で本題に戻る。

蔵書の確認をしていた。

すると、一年前から延滞している一人の女の人がいた。

それがさっきの呟きの理由。

「あらまぁ、一年前からだなんて

よく今まで気付かなかったものだわ。

その人の名前と年齢教えてくれる?」

「あ、はい。

長坂夏祈。んー、一年前に18歳って書いてあるから今は19歳です。」

「あら、まこっちゃんと同い年じゃないの。

その子どこの学校?」

「一年前は城山高校て書いてあります。」

「城山?えらい遠いわねー。」

城山高校と言えばここから電車で30分、

それからバスを乗り換えて乗り換えて、

と言ったところだろうか。