お祖母様になんと言って断ればいいのか…
午後からの仕事も手につかず、一日ため息ばかりついていた。

「先輩どうしたんですか? ため息ばかりついて?」

向の席に座る玲美ちゃんがパソコンの横から顔を出し声を掛けてくれる。

「うん…ちょっと…」

「何が合ったか知らないですけど、気晴らしに今日どうです? クラブ行きませんか?」

クラブか…うん、パァーと騒いで今は忘れよう!
お祖母様の事はまた考えよう。

「うん、玲美ちゃん行こう!」

「ヤッター決まり! 碧海さんが居るとイケメンが寄って来て楽しいんですよね!」

玲美ちゃんが喜んでいると隣から木之下君が、私達の話に入ってくる。

「はい! 僕も行きます!」と右手を上げる。

「一郎太は来なくていい! 先輩と二人で行くんだから!」と、玲美ちゃんが言うと、木ノ下君はすぐさま私に助けを求めて来る。

「先輩良いですよね? 僕も行って?」

木ノ下君は瞳を潤ませ、まるで仔猫だ。
木ノ下君も誰かに玲美ちゃんをとられないか心配なのだろう。

私は「うん良いよ!」と微笑む。

すると玲美ちゃんは「仕方ないなー」という。

「ヤッター!」

いつもの様に玲美ちゃんが仕方無く承諾すると、木之下君は大喜びしていた。