それは、遠い遠い昔のお話。
都のとある邸宅に住む見目麗しい女性がいた。
仮に名前は桜としよう。
当世一の美女と目された桜だが、身分は低く、とある屋敷で女中として働いていた。
その屋敷には姫君がいた。
仮に名前を椛(もみじ)とする。
椛は桜と年が近かったが、自分の容姿が桜に遠く及ばないことに深く劣等感を抱いていた。
劣等感を隠すこともせず、ことあるごとに桜にあたる椛。
それでも、要領もよく、頭の回転も速い桜は、難を逃れて暮らしていた。
ひっそり、こっそりと。
そんな桜に恋をしたのが、椛の幼馴染でもある青年だった。
家柄も申し分なく、剣の腕も確かで、帝の覚えも良い青年。
椛の父は、椛と青年が結婚することを願って青年をしょっちゅう家へと招いていたのだが、彼が恋したのは女中の桜のほうだった。
最初は、青年に対して心を閉ざしていた桜だったが、青年の熱い思いにうたれ、二人は相思相愛に。
それに気づいた椛は、桜に毒を盛る。
夜這いに来た青年は、死にそうな桜を連れだした。
逃げている途中、桜は息を引き取ってしまう。
青年は、桜を川岸の桜の木の下に丁寧に埋め、涙が枯れるほど泣いた。
青年は、毎晩そこへと通うのを自らの日課とする。
苦手な笛の練習を重ね、亡き姫へ笛で自らの想いを夜な夜な伝えた。
都のとある邸宅に住む見目麗しい女性がいた。
仮に名前は桜としよう。
当世一の美女と目された桜だが、身分は低く、とある屋敷で女中として働いていた。
その屋敷には姫君がいた。
仮に名前を椛(もみじ)とする。
椛は桜と年が近かったが、自分の容姿が桜に遠く及ばないことに深く劣等感を抱いていた。
劣等感を隠すこともせず、ことあるごとに桜にあたる椛。
それでも、要領もよく、頭の回転も速い桜は、難を逃れて暮らしていた。
ひっそり、こっそりと。
そんな桜に恋をしたのが、椛の幼馴染でもある青年だった。
家柄も申し分なく、剣の腕も確かで、帝の覚えも良い青年。
椛の父は、椛と青年が結婚することを願って青年をしょっちゅう家へと招いていたのだが、彼が恋したのは女中の桜のほうだった。
最初は、青年に対して心を閉ざしていた桜だったが、青年の熱い思いにうたれ、二人は相思相愛に。
それに気づいた椛は、桜に毒を盛る。
夜這いに来た青年は、死にそうな桜を連れだした。
逃げている途中、桜は息を引き取ってしまう。
青年は、桜を川岸の桜の木の下に丁寧に埋め、涙が枯れるほど泣いた。
青年は、毎晩そこへと通うのを自らの日課とする。
苦手な笛の練習を重ね、亡き姫へ笛で自らの想いを夜な夜な伝えた。


