「嫌とかそういう事じゃなくて……だって、私たち別に付き合ってるわけじゃないじゃん?」



何故か首を傾げられてしまった。


何で?



「付き合ってないと、キスしちゃいけないの?」

「付き合ってもないのに普通はキスしないの!」

「普通って何?」

「普通って言うのは……」



普通って何!?


何て説明すればいいわけ!?


ってかまさかそんな質問されると思ってなかった!



「葵とキスしたいって思った。 それだけじゃ理由にならない?」



不満そうな顔をする玲の頬を両手で挟んだ。



「付き合ってもないのに、一方的にキスするなんて変質者と一緒だよ!? もー変な事言ってないで勉強するよ!! 時間ないんだから!!」



ドカッと椅子に座ると、直ぐに玲も椅子に座りなおした。


何か笑われてる様な気がしたけど、今は隣を見る余裕なんてなかった。


冷静を装いながらも心臓はバクバク言っていて、体中熱くて堪らなかった。