お嬢様はじめました。

「思ってる事があるなら言って?」

「いや……無理させちゃってるんじゃないかな?って思って……」



首を傾げて綺麗な顔でいくら見つめられても、本当の事なんて言えるわけない。


自分でも訳わかんないんだし。



「無理なんてしてない。 そもそもそんなのしない主義。 いい暇つぶしになると思ったから葵の勉強に付き合う事にしたんだし、葵はそんな事気にする必要ない」

「そっか……それならいいんだ」



暇つぶし……その言葉が何度も頭の中で木霊する。


分かっていた事なのに玲の口から言われると、思っていたよりもショックは大きかった。


最初は乗り気じゃなくて、赤点取るよりはマシだし、まぁラッキーくらいにしか思っていなかった。


けど今はそうじゃない。


上手く言葉にできないけど、玲の事もっと知りたいって思うし、もっと仲良くなりたいって思う。



「でも、今は暇つぶしとは思ってないよ」



首を傾げると、玲の細く繊細な指が頬に触れた。