「葵に教えながら自分でも復習してるし大丈夫」



無意識なんだろうけど、玲は時折り伏せ目がちに微笑みを零す。


その仕草や表情はあまりにも綺麗で、初対面であんな事をしていた事を忘れてしまいそうになる。


見つめられたり、触れられたりすると落ち着かない気分になるのは、今まで見た誰よりも綺麗だから緊張するのかな?



「ん? 何?」

「あ、ううん! 何でもない」



つい見惚れてしまっていた。


自然と引き込まれる美しさに、どうしていいか分からなくなる。


シャーペンを持って次の問題を解こうとしたら、玲の手がそっと重なった。



「もう遅いから、続きは明日」

「明日って……」



本当に全教科みてくれるの?


本当に教えてくれるんだって思うと嬉しくなった。