お嬢様はじめました。

お祖父ちゃんからしてみればこれが普通の車なのかもしれない。


普通っていう感覚ってこんなに違うのか……。



「葵お嬢様?」

「あ、今乗ります!」



後部座席に乗り込むと荒木さんがドアを閉めてくれた。


そして荒木さんは助手席に乗り込んだ。


車が動き始めフーッと後ろにもたれ掛った。


鞄の中を見るとピンクの財布とキーケース、そしてパスケース。


どれも同じブランドの同じラインのもので、遅くなったがと言ってお祖父ちゃんが入学祝にとプレゼントしてくれた。


こんな高いものじゃなくて良かったのに……と思ったけど、お祖父ちゃんから見ればこのくらいたいした事ないんだろうなって思った。


お祖父ちゃんの金銭感覚に慣れる日がくるんだろうか?


私は庶民から抜け出せる気がしないよ。


お祖母ちゃんは逆にお金持ちから庶民になったんだよね?


それもきっと大変だったんだろうな。