お嬢様はじめました。

「お祖母ちゃんね、いつもお祖父ちゃんの話し聞かせてくれてたんだよ。」

「私の?」

「結婚式の時の写真も見せてくれた。 『初恋の人で今でも大好きな人なのよ。』って、笑いながら言ってた。 ずっとお祖父ちゃんの事想ってた……っ、お祖父ちゃんも今でもお祖母ちゃんの事っ__」



「大好き?」


泣いているせいで上手く息が出来なくて、その一言が言えなかった。


するとお祖父ちゃんは目を細めて「今でも菊代の事を愛しているよ。」と言った。


その目には薄らと涙が浮かんでいる様な気がした。


暫くして漸く涙が止まって、落ち着かせるように数回深呼吸をした。



「ごめん……また泣いちゃった。」

「涙もろいところも菊代にそっくりだな。」

「お祖母ちゃんと?」



お祖母ちゃんが泣いてるところなんて見た事ない。



「あぁ、嬉しい時も怒っている時も悲しい時も……どんなことでも泣いていたよ。 感情豊かで表情がコロコロと良く変わる女性だった。」