お嬢様はじめました。

「今日泊まんの?」



空は人が電話中だろうと御構い無しに話しかけてきた。


こういうところも変わってない。



「帰るよ」

「ふーん」



聞いといてこの反応。



「何してるの?」



玲の声が低くなった……ような気がする。


気のせい?



「この前会ったミーちゃん覚えてる?」

「ミーちゃん? 誰?」



え、嘘でしょ?


覚えてないの?



「撮影の見学した時に私が一緒にいたミーちゃん!」

「あぁ、彼女ね」



本当に思い出してんだか……。



「今ミーちゃんのお家に遊び来てるよ」

「そうなんだ。 迎えに行くよ」

「え!? いや、いいよ! 悪いし!!」



わざわざ迎えに来てもらうなんて悪すぎる。


忙しいだろうに。



「俺が葵に会いたいだけ」

「もう……直ぐそういう事言う__」

「葵は会いたくない?」

「っ__会いたい、です……」

「何で敬語?」

「分かんない」



そう言うと玲は小さく笑った。


笑ってくれる事増えた気がする。